「働き方改革」の前に・・・
文責:ジェムコ日本経営 営業部
最近良く耳にする「働き方(改革)」。
高度に発展した日本経済が低成長に陥ってから、かなりの時間が経過した。近い将来、日本の労働人口が減少し世界に類を見ない超高齢社会が目前まで迫っており、社会保障を維持することも困難な時代に突入して行く。
企業内部では、その事業を維持するため、以前にも増して“人材開発・育成”に注目が集まっている。
(それ以前に“人材の確保”も難しくなるが)
政府が主導している“働き方改革”の目的の一つに上記のような背景があり、社会全体が何かにつけて“働き方改革”という言葉を頻繁に使うようになった。「働き方」の根本はそもそも「企業がその事業目的を達成するために、従業員にどのように働いて貰いたいか?」と「従業員個人がどう働きたいか?」といった2つの側面が合わさったものだと思う。
私が日々コンサルティング営業を行い、「働き方改革」に関して様々な企業の方とお話しをさせて頂く際、少し違和感を覚えることがある。というのは、「働き方改革」といえば上記の「どのように働いて貰いたいか?」を制度的にあるいは仕組みとして再構築・高度化するための手段論に陥り、「個人がどう働きたいか?」の把握が少し置き去りになっているのでは・・・ということ。
企業のTOPあるいは、それに準ずる方々が、働く側の人の“心の問題”に、従来以上にスポットを当てなければならない時代になってきている。
ただ、これは「言うは易く行うは難し」で、なかなか実践することが難しく、単一の正解はない。
生きて行くため、豊かな生活を手に入れるために必死に働いていた時代、働くということに根本的に疑問すら抱かなかった時代には考えもしなかったような問題が今、企業経営者に突き付けられている。
経済も豊かになり、職業や生き方も自由に選択できるようになった。半面、必ずしも自らの生き方や職業選択に確固たる意志を持って臨めている人はそれほど多くはないのではないだろうか?
そのような中で個人の価値観が非常に多様化している今の時代、「働くという意味」を一体何に求めるのか、ということを企業のマネジメント層と個人の双方がその問題に真摯に向き合い、より良い職場環境の再構築と個人の能力(ポテンシャル)を如何に的確に捉え、高度化していくことが事業運営にとって喫緊の課題であると思う。
個人の力の集合体が組織であり、企業運営はその組織の力の良し悪しで決まる。
企業運営の源泉といっても過言ではない「個人(の心)」にどのように向き合っていくのか、我々ジェムコもコンサルティング活動を通じて、この壮大な問題・課題への対応を迫られていることを自覚しながら企業活動をご支援して行きたい。