AIはターミネーター?ドラえもん?
文責:ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 丸川隆文
「2001年宇宙の旅」という映画名をお聞きになった時、何を思い浮かべられるでしょうか? A SPACE ODYSSEYがバックグラウンドで流れるなか、類人猿が手にした骨を空高く投げやるとともに画面が宇宙空間へと移るオープニングでしょうか、それともあの独特の白を基調とした宇宙船の中のイメージでしょうか、あるいは何だか意味が良く判らない映画という印象でしょうか? 著者も最近までは前記のようなイメージでしたが、最近は「AIが登場する最初の映画」ということを意識するようになりました。(これ以前に、AIが登場する映画がございましたらご一報頂けますと助かります)
「2001年宇宙の旅」が1968年に上映されたものであることを考えると、AIの概念が如何に昔から存在したかを感じることができます。ちなみに、この映画に登場するAIの名称「HAL」、アルファベット順で一文字ずらしてみて頂くと、「IBM」となります。
現在IBMが社運をかけてWATSONの普及を強力に進めているのも、決して偶然ではないと思います。
ここ2~3年急激に認知度が高まったAI、第3次AIブームと呼ばれています。毎日のようにAI関連の記事が必ず紙面を賑わわせ、10年後にはAIに仕事を奪われると、ヒヤヒヤ、ゾクゾクする日々を過ごしていますが、読者の皆様は、HALやターミネーターのような人間と仲良くお付き合いのする気のないAIについて思いを巡らせるのではなく、AIをどのように活用すれば新たなビジネスチャンス、あるいは今の仕事を高度化・効率化していけるかについてご検討されておられることと思います。1990年代からのインターネットの一般普及をはじめとしたIT化の進展が、時間と距離の概念を大きく変えたように、AIの進展により世界中の膨大なデータが複合的、有機的に加工されて、新たな意味を生み出すというデータの価値概念を大きく変える転機となるのではないかと思います。大量なデータにアクセスでき、処理する能力を有する企業、グループが圧倒的に有利な立場を築ける世の中になりつつあるのかもしれません。ターミネーターではなく、ドラえもんを作る人の育成に貢献していきたいと感じる今日此の頃です。